当館が共同研究した、ネコザメの仲間の卵の分類に関する論文が発表されました
当館とオーストラリア連邦科学産業研究機構(以下:CSIRO )が共同で研究をおこなった、ネコザメ科サメ類の卵殻形質に関する論文が、2024年10月16日にイギリスの学術ジャーナル「Journal of Fish Biology」のサイトにて発表公開されました。今回の論文では、ネコザメ科に属する10種のうち卵の形状が判明している9種について、卵の形質を比較し、特徴的な形質から3つのグループに分類することができることが分かりました。
今回共同で論文を発表した、CSIRO(正式名称:Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation )はオーストラリア連邦における非常に大きな国立組織です。日本最多のサメの飼育種類数を誇る当館では現在5種のネコザメ科のサメを飼育しています。今回、CSIROからの依頼を受け、共同研究を進めてきました。
当館では、飼育しているネコザメ科のサメについて、DNA解析用の組織サンプルや卵殻標本などをオーストラリアのCSIROへ提供しました。
ネコザメ科の卵はネジを巻いたような独特な形が有名です。種類によっても形状が異なり、①巻きひげ(ツル)がある(例:シマネコザメ)・②巻きひげがなく、幅が広いヒダ状突起がある(例:ホーンシャーク)・③巻きひげがなく、幅が狭いヒダ状突起がある(例:ネコザメ)、などの特徴があります。
今回の研究では、ネコザメ科9種の卵殻形状を詳細に解析して種間比較を行い、それぞれ種の特徴を数値的に明確化することができました。
今回の発表を含め、当館でおこなっている研究成果は、サメの展示やイベントでみなさまにもご紹介していく予定です。今後も国内外の水族館や研究機関などと積極的に連携しながら、まだ謎の多いサメたちの生態の解明に役立てるとともに、自然保護に繋げていきたいと思います。
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